個室を作るなら最小スペースで
雑誌に出ていた言葉ですが、「個室を作るなら最小スペースで」。この言葉から何を連想されますか。
一つは「個室を最小スペースで作りましょう」という文字通りのことですね。
もう一つは「個室は最小スペースで作り、その他の部屋を大きくしましょう」ということです。気付きましたか?
では、なぜ、個室を小さく作り大きな部屋を作らなければならないかお考え下さい。
答えは「そんな必要はない!」です。
ちょっと、雲行きがおかしいですね。個室を作るなら最小スペースで作れと言っておきながら、なぜ、そんな必要はないというのか、疑問ですね。
これは、「個室を作るなら最小スペースで」という言葉の前に「大きな部屋が欲しかったら」という前置きが必要な言葉です。
では、この「大きな部屋」は、どの部屋のことでしょうか。寝室ですか。子供部屋ですか。客間ですか。
みなさん望むことが違うので、答えはその人によって変わります。浴室を広くしたいと思う人、リビングを広くしたいと思う人、シアタールームを広くしたいと思う人いろいろな人がいます。
そんな人達に、「大きな部屋が欲しかったら、個室を最小スペースで作りましょう」と言っているわけです。
当たり前のことですが、大きな部屋を造ると残りのスペースは小さくなります。ですので、個室の最小限スペースを確保して、余ったスペースを大きくしたい部屋に回しましょうという考え方です。
とても理に叶った考え方なのですが、どうしても頭が固くなり「子供部屋は最低6帖必要だな、寝室は10帖必要だな」と思ってしまいます。
このまま、他の部屋を考えていくと「リビングが5帖しか取れない」とか「キッチンが3帖になっちゃった」という状態が発生します。
又、微妙なリビングが9帖とかキッチンが4帖という状況も発生します。
こんな時こそ発想の転換が必要です。個室の大きさを見直しましょう。
個室を小さく造ると、広くしたい部屋に割り当てられるスペースが増えるということになります。
これは非常に重要で、最小スペースでの生活の見直しにもなります。つまり、どんな生活をしているのかが明確にもなるということです。
そして、家の本来あるべき姿、ゆったりのんびりくつろぎながら生活するというスペースを確保できるということになります。大きな部屋でゆっくりとした生活を楽しんで下さい。
ちなみに、寝室は多くの場合、寝るだけの部屋です。子供部屋は子供しか使いません。窮屈でイヤならば大きな部屋に出てくれば良いんです。
浴室の使用時間は長くても1時間程度だと思います。トイレも広ければ気持ちが良いですが、使っている時間は僅かです。人がいる時間が短い場所にスペースを割り当てるのは無駄が多いということになります。
人がいる時間が長い部屋を大きくすることをお勧めします。
長い時間、大きな部屋でゆったりと暮らしたいですね。
●これから家を新築する方へ
個室を必要最小限にすることはお勧めなのですが、収納スペースを削る場合は良くお考え下さい。新居に移る時に捨てるのであれば良いですが、捨てられない物が多いと収納するスペースは必ず必要です。部屋を大きくしても、物だらけでは大きくした意味がありません。収納スペースは確保しましょう。
◇道先 案内人(みちさき あんないと)のお勧めは大きな部屋が欲しい場合どれだけ共用できる部屋を増やせるかです。共用することで部屋を小さく区切る必要がなくなります。そうすると大きな部屋が出来るわけです。
ダイニングをなくし、リビングの座卓で食事をするという割り切りで部屋を広く見せることも可能です。発想の転換をしてみてください。
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